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2003.09.26

地域活性化と歴史学

日本では一時期、歴史学や考古学の学者による地方史の創出が流行しました。これは学者たちがマルクス主義の理念のもとに運動として展開したもので、いわば反体制的なものといえるでしょう。しかし地域活性という立場には、他方、その土地の歴史や伝統の掘り起こしによる観光資源の開発といった経済的な要請が現在でもあり、そういった活動を行っている政府外郭団体も存在します。

最近の台湾での地域活性化熱を見ると、こういった一世代前の日本の状況が重なってきます。現在台湾では観光資源の開発のために地域活性を振興しています。これは技術・経済立国ではいずれ中国に飲み込まれてしまうという危惧のもとに、文化立国へと政策を転換していることの反映でしょう。また地域活性の一環として盛んに地方史が作られていますが、そこには本土化といった民族主義により大陸中国との差異を明確にしようという政治的な意図があるわけです。しかし一方で膨大な歴史資料を片端から作っていくという中国で伝統的に行われていることのミニチュア版を思わせるところが興味深いです。

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