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2003.10.11

参考文献としてのデータベース

論文の参考文献に辞書を引かないのがお約束だ、と教わったことがあり、そんなもんかと思ってましたが、いろいろと勉強していくうちに、辞書によりけりだということも教わりました。例えば、諸橋大漢和辞典はNGだけど、望月仏教大辞典はOK、みたいなです。

では、全文データベースはどうなんでしょう。辞書とは、すでに存在するテキストの中から用例を抽出して、言葉の解釈を行うものです。論文を書くにあたって辞書を参考文献として認めるかどうかは、その用例の抽出と言葉の解釈の部分を先行研究としてどの程度評価するか、という判断に帰するといえるでしょう。
全文データベースの場合、用例の抽出も言葉の解釈も利用者が行うわけです。だから参考文献として引用する必要はない、と考える人もいるようです。つまり先行研究として評価しない、という態度になるわけです。しかし、これは正当な評価でしょうか。

たとえば、中央研究院の漢籍電子文献や『四庫全書』データベースクラスになればどうでしょう。検索の言葉を決めるのは利用者であっても、仮にそのデータベースが利用できなければ、膨大な漢籍の中から用例を抽出することができるでしょうか。そして有意な用例の抽出抜きに有効な言葉の解釈を行うことができるでしょうか。量が質に転化する、という好例の一つではないかと僕は考えます。

またデータベース構築にかかる労力を考えるとき、参考文献に引用するということが先行研究の評価という側面もある以上、その労力を考慮しないわけにはいかないのではないでしょうか。特に中央研究院のデータベースのように無償公開されているものは特にそうです。データベースを何か新しいものとして見るだけでなく、既存の研究につらなるものとしても評価していくようにした方がよくはないでしょうか。気軽に利用してそれでおしまい、という感覚はあまりに安易です。

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