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2003.10.23

古典への注釈作法

漢籍の現代語訳をつくるときに、そのテクストだけではよく意味がとれない状況はままあります。その理由は文章が難しいとかだけではありません。文字に脱落があったりと読み手の関知するところではない理由で読めない場合があるのです。
そんな場合、注釈をつけて翻訳を助けます。先行研究の助けを借りたり、他のテクストをもってきて合わせ技で読んだりするわけですが、そこにも一定の作法があります。でもそういった作法はあんまり明文化されてないように思うし、試みに書いてみようかと思います。

まず基本姿勢として、先行する他の研究を元に原文を読む場合は、先行する研究が扱っている文献(もちろん後代の注釈ではなく、同時代資料とみなしうるもの)と、目の前のテクストが相似していないといけません。畢竟、注釈部分において、類似テキストを挙げ、だからこう訳したと述べるというのが基本作業でしょう。
もし、テクストが類似していないのなら、実は違う内容のテクストである、という可能性、もしくはこのテクストにより既存の解釈が変更される可能性、を想定すべきでしょう。つまり目の前のテクストを素直に読んでみる=逐語的に訳し、その範囲での解釈を、有効性に限界があると知りつつも、試みる、という行為をしなくてはならず、そうした上で先行研究を引用し、それらと内容が違うのであれば、そこに目の前のテクストの特殊性が出てくる可能性があるわけです。

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