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2003.10.19

中国文学研究と『〈民主〉と〈愛国〉』

小熊英二『〈民主〉と〈愛国〉―戦後日本のナショナリズムと公共性』は、「太平洋戦争に敗れた日本人が、戦後いかに振舞い思想したかを、占領期から70年代の「ベ平連」までたどった」もので枕になるくらい厚い研究書です。

cover

平成の世に中国哲学を研究している人間にとって、日本のことだし、昔のことだし、あんまり関係ないな、とこの間までは思っていました。が、ところがどっこい、関係は思いの他深いのでした。

そもそも哲学文学を問わず中国学の先駆者たちは、戦前は大東亜共栄圏という思想を学術的に後押ししたり、戦後は共産主義中国の立場を顕彰したりと、政治的に忙しい人たちが少なからずいたわけで、研究史をふまえようとすれば、その問題を避けては通れないはずです。
小熊さんの本も、中国学の分野から見過ごせない人物が主要な思想家の一人として登場します。竹内好と魯迅です。
僕の仲間が国語教育における魯迅という問題を研究していますが、こういった日本近現代思想史の文脈に位置付けうる、かなり刺激的なテーマといえます。仏教研究の分野では、こういった研究を行っている人がすでに何人かいますが、中国学の分野ではまだあまりいないように思います。

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コメント

もろです。へー、いいですか、それ。あのボリュームだとなかなか読む気がしないのよね。

投稿: もろ | 2003.10.19 12:44

うーん、僕も読んだんでなく、関係しそうなところをつまんだだけです。ただノンフィクションっぽい文体で読みやすいですよ。学史的な研究をするときの背景材料として持ってると便利、て感じです。書かれていることの良し悪しまではまだ判断つけれません。

投稿: NOMURA Hideto | 2003.10.19 15:58

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