« 2003年10月 | トップページ | 2003年12月 »

2003.11.28

『食べる指さし会話帳(4)台湾』

片倉佳史・石野真理『食べる指さし会話帳〈4〉台湾』(情報センター出版局、2003年)は、旅の初心者向けに作られてるこのシリーズにあるまじき濃さを放っています。これも著者の片倉さんが濃すぎるためでしょうか。

本来は、言葉がしゃべれなくても食べたいものを注文できる、程度までが売りなんですが、料理のほとんどに写真と解説があり、ついでに台湾食文化の背景まで説明があって、本書自体が日本語で書かれた台湾グルメガイドとして一級の出来となっています。

お店の紹介まではないですが、そこはそれ、台湾についてから書店に飛び込んで、「台北ウォーカー」や各種グルメガイドを購入すればよい訳で、この会話帳と合わせ技でグルメ散策は完璧ではないでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2003.11.27

思想としての文献学

文献学抜きに学問としての思想が成立しないのは、現代思想の若手の旗手の東浩紀さんに対する唐沢俊一さんの最近の批判が参考になります。サブカルチャーをめぐる議論ですが、問題の構造は同じです。僕自身は世代的に東さんに近く、また中国哲学の現代性ということを重視しているので、この指摘は先達のもっとテキストを読みなさいという若手への批判と重なってきて、まあ他人事ではないのです。

裏モノ日記2003年10月25日:
「大衆向け娯楽映画を通してラカン理論を語る、 という彼(筆者注:ジジェク)の方法論は、オタクアニメを通してデリダを語ろうなどとしている一部の日 本の若手現代思想家のモデルだろう。そして、その、語る素材としての大衆文化の知 識の基礎が貧弱なことで、論全体がアヤシゲに思えてしまうというところまでが相似 形である。」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2003.11.26

日本のクリエイティブ・コモンズ現況

HotWired Japanで「日本のクリエイティブ・コモンズの可能性」と題した特集が組まれています。
http://www.hotwired.co.jp/matrix/0311/

それによると現在、日本の法律でも効力を持つようなクリコモ日本版を作成していて、
例えば人格権の部分を強化したりとか、12月2日にドラフトが出るそうです。
研究情報の発信という側面から、こうしたネットに特化したルールを積極的に利用していきたいものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2003.11.11

アジア遊学:台湾特集

出版されて半年以上過ぎてますが、勉誠出版のアジア遊学No.48は「台湾―模索の中の躍動」と題した特集が組まれていて、これはオススメです。
執筆陣は気鋭の若手台湾研究者たちで(ここで書いてる人たちが将来の台湾研究を引っ張っていくというか、もう引っ張りつつあるみたいです)、最新の研究成果を取り入れて書かれている本書は、現時点で最良の台湾ガイドと言えるでしょう。

今なお盛んな道教・一貫道などに代表される民間信仰や、あふれんばかりのサブカルチャーに関する紹介・論考があれば、完璧なのになとそれが残念です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2003.11.10

『マトリックス レボリューションズ』

またまたヒルズで映画見てきました。『マトリックス レボリューションズ』、3部作の完結篇です。しかし、18時50分の回を見たのに、半分は空いてました。ヴァージンシネマズ六本木に来るのは今日で5回目で、どれも超がつく大作を見たんですが、一度だけですね、客席埋まってたの。それも小さな方の箱でした。やはり交通の便が悪いからでしょうか。おかげでデートに最適です。わはは。

さて内容の方はといえば、各方面で批判されている通り、ダメダメでした。映像的にはまずまずだったと思います。ザイオン攻防戦や最後の一騎打ちはやっぱりかっこよいですよ。相方は何で最後の最後で素手のどつきあいなの?とご不満でしたが、そこが漢!なのです。これでいいんです。

それよりストーリーがどうにもこうにもでした。救世主の自己犠牲により世界は救われたなんて陳腐な話ですが、それ故にもっと分かりやすく見せて欲しかったです。エンディング盛り上がれないじゃないですか。複雑にするより王道を行けばよかったのに。
そして個人的にいちばん引っかかったのは、そもそも技術力でおとる人間側の機械で雲を突き抜けて太陽を拝めるぐらいなら、機械側でちょちょいと太陽発電用の施設でも建てられるんじゃないだろうか?という疑惑です。人間を電池にしてるという最初の設定が台無しではないですか。もちろん観客側の補完作業として、人間電池とはザイオン側の解釈or当初の仕様で、現状ではプログラムor機械が結局「人間」を自分たちの進化のために必要としている、といったようなこじつけもできなくはないです。しかしそういう説明を観客にさせるようではいけません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2003.11.09

『日本の道教遺跡を歩く』

福永光司・千田稔・高橋徹著『日本の道教遺跡を歩く――陰陽道・修験道のルーツもここにあった』(朝日選書)は、専門家によってはトンデモ本扱いするかもしれません。あとがきの方でも予防線がはられてますが、ようするに「道教」が本当に日本に入ってきたと言ってよいのか、といったところから議論になっているので、「道教遺跡」って何それ?というつっこみが出てくるわけです。ただ僕はそれでも良い本だと思いました。

cover

実際に同書で使われてる道教は、もっとも広い意味での道教、儒教・仏教・道教三教の一つというときに使われるぐらいの漠然としたもので、これは一般的な言説では十分に納得できる用法です。
また第2部の福永せんせいの道教一問一答も興味深く読めます。同意するかどうかはまた別の話ですが、少なくとも一般読者にここまで分かり易く説明できることを、研究者の仕事としてちょっとあこがれてしまいます。

ちなみに目次は以下の通りです。

第1部 探究・日本の道教遺跡
 亀の背が支えた天宮―飛鳥と多武峰
 仙人が住むとされた土地―吉野・宮滝
 常世から波寄せる国に皇祖を祀る―伊勢神宮
 藤原京の南によみがえりの宮―八角墳
 他14篇
第2部 道教について
 道教とは何か
 四重構造の道教
 基準教典は『雲笈七籤』百二十巻
 『墨子』や『韓非子』も道教の教典
 三洞の思想史的整理
 他13篇

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2003.11.08

日本道教学会第54回大会

今年は明海大学での開催になった道教学会の大会に参加してきました。参加者が思ったよりも少ない印象を受けましたが、いつもこのぐらいでしたっけ。昨年はシンポジウムがあって、その分たくさん参加があったので、その印象で眺めてたからかも。たいへんなんでしょうけど、ああしたイベントをもっと企画してもらいたいです。

最初と最後の発表以外は道教の周辺の研究で、それはそれでおもしろかったですし、道教研究の広がりということなんでしょうけど、やや物足りなさもありました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2003.11.07

タオの会2003

今年で三回目になりますか、道教学会の大会前日に前夜祭的なイベントとして、道教文化研究会が中心となって、東西若手道教研究者の発表交流会を開いています。題して「タオの会」。名前はアヤしいですが、学会当日よりも若手の忌憚のない意見が飛び交って、なかなか充実しています。
今年の発表は、
 重信あゆみ氏「西王母信仰の変遷―神話から道教の神へ―」
 鈴木健郎氏「「白玉蟾」をめぐる諸問題」
の二つでした。

重信さんの発表は、各資料をとりまとめて、西王母信仰が道教へ取り込まれるまでを論じたものでした。同様の試みで研究書が書かれているし、テキストの取り扱いも簡単でないので、難しい研究だとのコメントがありました。またテキストに不安のある道教以前の変遷よりも、むしろ取り込まれて以降どのように発展して近現代の西王母信仰につながってくるのかを明らかにしてほしいとのリクエストもありました。僕も個人的にはその後の話を聞きたいんですが、ただご本人はむしろ考古学的な方向に興味があるそうです。

鈴木さんの発表は博論の節録でした。南宋時代の著名な道士白玉蟾の思想を論じたもので、すごく勉強にもなります。でも、宗教学からのアプローチだから、中国思想史の文脈ではおかしなことを言っていたとしても、それは視点の相違に過ぎない、といった逃げ口上は生産性がないのでもったいないことです。そうやって逃げるなら最初から歴史学的な視点を導入しなければいいのに。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2003.11.06

ごはん居酒屋『寅福』

大かまど飯『寅福』城山ヒルズ店に行ってきました。時々仕事帰りに歩いて神谷町方面まで行くときに見つけたお店です。
場所は『KOOTS GREEN TEA』のそばです。
かまどで炊いたごはんが売りの和食居酒屋で、値段はそこそこリーズナブルでした。また行ってもいいかな。
ここもピザーラを経営してるグループ傘下でした。こないだ行った高級ハンバーガーショップ『KUA'AINA』もそうですし、最近何だかピザーラに縁あります。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2003.11.05

BBLセミナー初体験

アメリカではブラウンバッグランチミーティングというのが流行していて、各自ランチを持参してまったりめに討議をするものだそうで、ブレーンストーミング自体が目的のようなもので、最近日本でも行われるようになってきたんだとか。ぱっと目につくところで、定期的に開催されてるRIETIのサイトを参考ください。

不勉強で僕はそんな会議のスタイルがあるとは知らなかったんですが、縁あって、台湾の安全保障問題をとりあげたBBLに参加しました。でも主催者側も初めての試みだったのか、けっこう格式張ってしまい、大半の参加者はランチ持参でなかったです。僕はせっかく茶色い袋でお昼を用意したんですが、もじもじしながら食べることになりました。とほほ。回を重ねていけば、もっとラフにやれるようになるかもしれません。

しかし、僕の業界だと、読書会とかで酒飲みながら読み進めるなんて、昔はありました。うーん、実は最新の流行だったのでしょうか。最近はいろいろきびしくて、飲み食べしながらってのはほとんどないですね。ガクモン的じゃないんでしょう。でも酒じゃなくて、お茶しながらなら、今でもできるんじゃないでしょうか。BBLという理論的後ろ盾をくっつけることもできますしね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2003.11.04

日本茶カフェ『KOOTS GREEN TEA』

雑誌の記事をきっかけに神谷町で時々寄っている日本茶カフェ『KOOTS GREEN TEA』は中国茶ブームの次に来た?日本茶ブームの中開店したお店の一つです。
お店の雰囲気もメニューもかっちりしてて、ちょっと個人経営のお店に見えないなあと思って、お店の人に尋ねたら、TULLY'S COFFEEと母体が同じだそうで。なるほど、と納得。まだお店は2店しかない様子。おにぎり屋さんやうどん屋さんが人気になってきてて、和食ファーストフードが一つの潮流になりつつある今、こういったチェーン系の日本茶カフェももっと流行ってくれるとおもしろいんですが。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2003.11.03

高級ハンバーガーショップ『KUA'AINA』

ハワイで一番有名なグルメハンバーガーで、ザガットサーベイでもハンバーガー部門トップと自信たっぷりに宣伝している『KUA`AINA』の丸ビル店に行ってきました。同店のサイトによると、ピザーラを経営している会社がブランドを借りて日本でチェーン展開しているようで、当のハワイには2店しかないのに、日本では11店舗あります。

一番安いので780円という、ボリュームは確かにあるものの、何とも強気な価格設定です。でも、ポテトとドリンクがつくランチセットで980円ですので、レストランでのランチと考えれば、割高ということにもならないでしょう。味もおいしくて、肉汁たっぷりのパテに相方もこれなら許すと満足してました。たまに行くのもいいかもしれませんし、ネタで試しても損はないです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2003.11.02

チャイニーズエンタのお買い物

アジア(香港、台湾、日本、韓国)のポップス、映画、CD、DVD、カラオケ、本、テレビゲーム、雑誌、ギフトまですべて取り扱っているオンラインショップがYesAsia.comです。台湾関係の仕事をしてるのに、なかなか買い出しにも出かけられない僕にとっては、なくてはならないお店です。最近は書店とも提携して書籍が充実してきましたし、すごく便利になりました。

ちなみに今日買ったのは、大陸の連続テレビドラマ『似水年華』です。
cover

台湾で活躍してるアイドル李心潔さんが出演してるということで見たいなあと思っていたんですが、何でも徐志摩をモデルにしたドラマなんだとか聞き、買わない理由がなくなってしまい、ついに注文していました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2003.11.01

ビルを殺れ!

ということで、『キル・ビル』を見てきました。六本木ヒルズでデートとして見るという、およそある筋からはぶっ殺されそうな見方をしたわけですが、タランティーノさんがすごいのは、そういう見方が成立するくらいスタイリッシュな作品に仕立て上げているからで、だからこそ全米公開で1位をとれるわけで、その意味である意味正しく楽しんだことになるでしょう。確かに日本語トークでは笑いましたが、チープさや笑いを越えるかっこよさがこの映画にはありました。映像の撮り方やストーリーの語り口がB級映画であることを拒否しています。
殺陣のかっこよさでは『座頭市』に軍配があがりますが、映画としてのかっこよさは断然こっちです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2003年10月 | トップページ | 2003年12月 »