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2004.11.11

ハウルの動く城

ハウルの動く城』の試写会行ってきました。何かで応募したやつが当たったのでした。ラッキー。
キムタクハウルは言われてるほど気になりませんでした。宮崎作品屈指のかっこよさでしたね。ヒロインもかわいかったし。出てくるメカや魔法の見せ方も素晴らしい。全体的にナウシカやラピュタテイストで、非常に好ましい映画でした。

ただ、おもしろいことはおもしろかったし、素材も画も見せ方も確かにぐっとくるんですが、なんでしょう、もう15分でも30分でも長くていいから、ゆっくり見せてほしかったし、きちんと説明してほしかった(引くべき伏線が何本か引かれていなかった)です。こんだけおなかいっぱいつまってるのに、物足りなさを感じさせられるというのは、どういうことなんでしょう。ディレクターズカット希望。ないでしょうけど。
実際、ファンタジーの文法に慣れてる僕なんかは、少し引っかかりながらも脳内補完しつつ楽しめたんですが、いっしょに見た相方さんは、不満たらたらでした。よく話が分からなかったらしい。うん、そうかもしれない。

---11/23:追記---
ぱってん荒川@シネマッド日記さんとそこから跳んだeigadojo.comさんで、唐突な終わり方についての批評がありました。現実の戦争はそう簡単には終わらないからこそ、お話の戦争はこれみよがしに唐突に終わって見せた、それが宮崎監督の意地だと高く評価する、というのは、なるほどと思いました。
しかしそれは大人の評価であって、千と千尋を上回る動員数が後続くのであれば、子供の評価があるということです。それはやはり、まんが映画の動きの魅力、ということになるのかもしれません。
ただ僕なりにあの唐突な決着の付け方について、考え直してみると、あれはあれでものすごく伝統的なものです。昔話・おとぎ話の世界では、何の脈絡もなく主人公に関係してくる変な動物(動くもの、てこと)が実は呪いをかけられていた王子/王女で、最後に元の姿に戻って主人公とくっついてハッピーエンドというのはアリな訳です。そこでは事前の伏線なぞ存在しない。したがって昔話を再話するにあたって、本来なら助け役の魔法使いと主人公がくっつく話に変形した、と考えればそれで問題はどこにもないわけです。もちろんそうした古いお話を楽しむには、見る側が物語(ハリウッド的なものに代表されるような近代合理的な方の)に汚染される前でないといけない。その意味では、ハウルは実はラピュタよりもトトロに近いお話なのだと思います。ハッピーエンドって訳ね、とハウルの師匠さんがこぼすのは、昔話的予定調和に意図的に収斂させる監督のつぶやきなのでしょう。

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コメント

千と千尋が本来描く予定だったクライマックスを鈴木プロデューサーの「公開を一年のばしますか?」という発言でバッサリ切り、カオナシのハナシを膨らませて、いわゆる映画的なクライマックスのない映画になっているにも関わらず、観客にきちんと受け止められ、日本で最もヒットした映画となってしまいましたが。
思うに、マンガやアニメをあびるほど見て育っている日本の四十代以下の者は、宮崎アニメの描く世界を当たり前に受け入れられるのだなあと。
BTTFのタイムパラドックスもアズカバンのオチも劇場版ドラえもんやしんちゃんで育った日本人には、お馴染のモノであったわけで。
ハウル分からないという方々はマンガやアニメを愛でる習慣のない方が多いような気がしますですたい。

投稿: ぱてん | 2004.11.24 13:56

トトロが劇場公開当時ヒットしなかったことを考えると、ぱてんさんの言われる愛でる習慣がずいぶん一般的になったのだなあと思います。ひるがえってみるに、確かに相方にはそうした習慣ないですね。もっともトトロについては昭和一ケタの我が父も絶賛してました。。。あ、でも父はマンガ好きで、実家には昭和漫画全集とかおいてありました。

投稿: NOMURA Hideto | 2004.11.25 10:58

「ハッピーエンドって訳ね、とハウルの師匠さんがこぼすのは、昔話的予定調和に意図的に収斂させる監督のつぶやきなのでしょう。」
そういえば宮さんは「千と千尋」で文太さんに
「愛だね、愛だ」って言わせてましたな、、
キャラに言わせないと恥ずかしかったとでしょうな。
こんハッピーエンドへの着地は、、
映画「ナウシカ」も原作の途中で、エンドマーク
向かえてるので、
原作が着地したのと逆の状態に着地しとりましたですね。

投稿: ぱてん | 2004.11.28 23:39

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