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2005.10.14

南無紅豆麺包仏

mixiでmonodoiさんから谷中に妙法童子という神様を祀っている祠があると教えてもらいました。はいこれ。
051014_090445_m.jpg
どうもお寺が経営しているっぽい保育園の門神として祀られているようです。祠には「妙法童子」「神通之力」と双聯がありました。
最初にmonodoiさんや掲示板(9/18投稿分)の写真ではバイキンマンだけだったので、確かに、パン屋の職業神よりは疫神を祀る方が圧倒的に正しいからそれは当然でしょうと思っていました。どうぞ園児を病気からお守りください、と祀るわけですね。しかし自分で確認したところ、ちゃんとアンパンマンも看板としてかかっている訳です。これはいったいどういうことなのか。
そうです、よくよく考えれば、彼の神は単にパン屋の職業神にとどまる存在ではなかったのです。その説話を参照すれば分かるように、その核心となっているのは餓えた者に対して自らの身体(というか頭部)を与える行為、つまり「捨身」です。この行為は釈迦の前世の説話として語られ、その後仏教者たちによって捨身供養として確立されていきます。そう、アンパンマンは「愛」と「勇気」だけを友としてひたすら「捨身」を続ける仏、仮にその名前を紅豆麺包仏としておきましょうか、その仏教の神格が、パン屋の職業神と習合した存在だったのです。がーん、知らなかった。これでお寺の側で看板に掲げられていたことも納得できます。釈迦やアンパンマンのような仏の心をもって他者につくすような大人に育ってほしい、そういう願いが込められていたんですねえ。
ちなみに仏教の神格としてアンパンマンをみた場合、これがまた実に特徴的です。通常仏教系の神格は頭部が増えるパターンが多いです。十一面観音とか、まあそんなの。ところがこの場合むしろ無面とでもいいましょうか、頭部がないということが形象のもっとも大きな特徴となります(え、かじられてるだけじゃ?と思った人はやなせたかしさんの絵本を参照のこと)。これは仏教美術史上の一大事件かもしれません。このまま信仰が定着していくことが望まれます。

南無紅豆麺包仏、善哉、善哉。

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コメント

追跡調査嬉しく存じます(^^)私見によればこの類の信仰の定着に際して鍵となるのは、おそらく「ちょさくけん」かと(笑)当局による信仰弾圧がないことを祈るのみです。

投稿: monodoi | 2005.10.14 17:36

アンパンマンのほうは単なる看板で、祀ってあるのはバイキンマンだけに見えるけど、どーなんでしょ。

投稿: もろ | 2005.10.16 01:07

私も祀ってあるのはバイキンマンだけに見えるのですが、できるならアンパンマンを祀ってほしいな~。
それにしても・・・野村さんにかかると、たかがアンパンマン、されどアンパンマンですね。さすが(^^)でも、本当にアンパンマンは無償の愛を身を以て教えてくれていると思います。

いつも拝見しているだけなのですが、このアンパンマンの話題はツボにはまっちゃって、コメントさせてもいました。お邪魔しましたm(_ _)m

投稿: はせ | 2005.10.16 11:39

monodoiさん>
当局の弾圧、恐いですねえ。100年ぐらい祀り続ければとホントに神様になれるだろうし、事業展開、じゃなくて布教活動が望まれます。

もろさん>
疫神のような直接御利益があるほうが身近な信仰になりやすく、上位の神格の信仰は表立って出てこないもの、つまり、昨日今日に始まった信仰ではないと理解しております。どーでがんしょ。

はせさん>
子供の頃、いちごえほんという雑誌で読んで以来でしょうか、けっこうアンパンマンのファンです。アニメはあんまり見てないですが、主題歌は大好きです。

投稿: ぱーどれ | 2005.10.16 19:17

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